固定資産税は法律によって徴収される税金であり、会計上の勘定科目は「租税公課」として仕訳を行う決まりとなっておる。
租税公課とは、固定資産税の他、不動産取得税や都市計画税、自動車税、印紙税、そして法人税や住民税などの国税や地方税の仕分けを行う際に用いられる勘定科目の事じゃな。
尚、固定資産税は「毎年1月1日時点」における固定資産(主に土地や建物など)の「登記簿謄本上の所有権者」に対して課される「賦課決定方式」による租税となっておる。
■固定資産税の英語読み(会計用語)
Property tax
固定資産税の納付は第1期~第4期までの4回に渡り分割して納付を行います。
尚、納付時期が「翌事業年度」にまたがっている場合は「未払金計上」を行い、本年度の必要経費とすることも可能です。
固定資産税の未払金計上については後述する仕訳事例にて解説します。
固定資産税は、法人、個人事業主ともに事業用として所有している不動産であれば「全額」が必要経費として損金算入することが可能です。
事業用不動産の代表は「自社ビル」や賃貸収入を得るための「投資用不動産物件」の固定資産税などです。
これらの固定資産税は法人でも個人事業主でも全額損金計上して問題ありません。
ここからは具体的な仕訳例と合わせて固定資産税の仕訳方法について確認していきましょう。
【固定資産税の仕訳のポイント】
※事業用不動産等の固定資産税は全額必要経費として損金計上できる
【決算書の表示区分】 | |
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損益計算書の勘定科目 PL(プロフィット&ロスステートメント) | 貸借対照表の勘定科目 BS(バランス・シート) |
固定資産税(租税公課)の仕訳は決算書(財務諸表)の中の損益計算書に区分される勘定科目の一つです。
【勘定科目の区分】 | |
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資産 | |
負債 | |
純資産(資本) | |
収益 | |
費用 |
固定資産税(租税公課)の勘定は「費用の部」に区分される勘定科目です。
固定資産税の仕訳は、租税公課の勘定科目を用いて処理します。
①固定資産税の仕訳例(法人) | |||
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自社所有の投資用アパート物件の固定資産税67,000円を金融機関窓口に行き現金で支払った。 | |||
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
租税公課 | 67,000円 | 現金 | 67,000円 |
固定資産税は、法人の場合は翌事業年度、個人事業主の場合は翌年の納付となる「第4期分」の固定資産税を未払金として計上し今期の経費とする事が可能です。
②未払金を含む固定資産税の仕訳例(個人事業主) | |||
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個人所有の事業用不動産物件の第1期固定資産税69,200円を金融機関窓口に行き現金で支払った。尚、第2期~第4期の固定資産税67,000円は未払金として計上し今期の必要経費とする。 | |||
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
租税公課 | 270,200円 | 現金 | 69,200円 |
未払金 | 201,000円 |
個人事業主の方で仕訳に迷いやすいケースとしては、自宅の一室を事務所として活用しているケースの固定資産税です。
個人所有の自宅は社会通念上の概念としては「事業用不動産」ではありません。
ですから、原則として自宅の固定資産税は「経費」として認められません。
しかし、自宅の一室を明らかに事業用として提供しているこのようなケースでは業務用の部分に限り必要経費として損金算入することを「国税庁」が認めております。
資本金制度が撤廃されSOHOビジネスや少人数企業の台頭が今後も更に拡大していくことが予想される現代社会では、「自宅兼事務所」というビジネススタイルが一般的なスタイルとして認識されつつあります。
事務所を構えてはいるが自宅でも仕事を行い、かつ一室をほぼ仕事専用に利用している場合なども自宅の固定資産税の一部を経費として計上することが可能です。
固定資産税は割りと大きな支出となりますから、税務知識を身につけ事業用部分はしっかりと経費で処理する申告を行うようにしましょう。