会社で利用している固定電話の電話料金は「通信費」として扱われるため経費として損金計上が可能な費用じゃ。
しかし、携帯電話料金の場合は個人名義で所有するものであることから、個人の携帯電話で仕事の電話をした場合でも会社の経費として扱うことが可能か疑問に残る部分もあるじゃろう。
尚、携帯代・携帯電話料金を会社の経費として損金計上する場合は、仕事への関連性がある場合に限り「通信費」として扱うことが認められておる。
もちろん、私用で通話した通話料金は原則として経費の対象とならない点を把握しておく必要がある訳じゃ。
■通信費の英語読み(会計用語)
Communications expenses
postage(郵便)
社員が仕事で携帯電話を必ず使用する場合は、社用携帯電話を会社が準備することで経費化を容易に実現することが可能です。
社用携帯電話を社員にもたせておく場合は、電話履歴の確認を行う事を認めた上で利用を認めるなど「社用携帯電話規程」を厳しく設定し私用での乱用を防止する事が可能です。
尚、現実的には会社の固定電話であっても私用で電話を利用する事は可能であるため携帯電話料金だけ経費として認めない事もまた現実的には難しい問題です。
人口に対する普及率で見ると既に一人1台に迫る普及率を誇る現在では、個人の携帯電話で仕事の通話を行う事も決して珍しい事でもありません。
その為、税理士と相談の上、携帯電話料金の経費扱いについて社内のルール・社内規程を明確に定めておくことが大切です。
仕事で個人の「スマホ」や「携帯電話」・「PHS」を利用する場合、公私分別が難しい点が経費化のひとつの課題である点はここまでに解説してきた通りです。
社用携帯電話を導入することで、公私の分別を図ることは可能ですが、この場合は社員が2台の携帯を持たなければいけないデメリットが生じます。
しかし、現在では社員の携帯電話1台で「仕事用の通話」と「私用の通話」を区別して発信し、通話料請求も別々に行うことができるサービスも登場しております。
会社側としては、個人の携帯電話を借りて仕事の通話をしてもらい、発生した通話料金は経費として会社が負担する形をとれるため携帯電話の貸与は不要となり基本料金も無料となることから結果的に経費の削減を図ることができる大きなメリットがあります。
携帯電話の経費化については様々なサービスやアプリが登場している為、携帯電話料金を損金算入していない場合は一度導入を検討してみると良いでしょう。
ここからは具体的な仕訳例を見ながら携帯代・携帯電話料金の仕訳方法について確認していきましょう。
【携帯代・携帯電話料金の仕訳のポイント】
※携帯電話料金は仕事に関わる通話である場合通信費として損金計上可能
携帯代・携帯電話料金を会社の経費として扱う場合は通信費として仕分けされます。
【決算書の表示区分】 | |
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損益計算書の勘定科目 PL(プロフィット&ロスステートメント) | 貸借対照表の勘定科目 BS(バランス・シート) |
携帯代・携帯電話料金の仕訳は通信費として扱い決算書(財務諸表)の中の損益計算書に区分される勘定科目の一つとなります。
【勘定科目の区分】 | |
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資産 | |
負債 | |
純資産(資本) | |
収益 | |
費用 |
通信費の勘定は「費用の部」に区分される勘定科目です。
①携帯代の仕訳例(社用携帯) | |||
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従業員が利用している社用携帯電話料金の先月利用確定金額422,600円が普通貯金から引き落としされた。 | |||
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
通信費 | 422,600円 | 普通貯金 | 422,600円 |
②携帯代の仕訳例(個人名義の携帯) | |||
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個人のクレジットカードから引き落としされている個人名義の携帯電話を仕事で利用している為、携帯電話料金27,400円を会社から個人に現金で支払った。 | |||
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
通信費 | 27,400円 | 現金 | 27,400円 |