近年になりファミレスや喫茶店、そしてマクドナルドなどのファーストフードショップまでインターネット環境が整ってきている事は皆さんご存知の事でしょう。
空港のラウンジなどで「wifi接続可能」といえば魅力を感じていた時代もありましたが、今ではあらゆる場所でインターネットサービスが提供されるようになってきているのです。
また個人でどこでもネット環境を持ち運びできるモバイルルーターの登場、更にはスマートフォンをモバイルルーターとして活用するデザリングまで可能です。
そしてビジネスマンにとって今ではノートパソコンも携帯必需品のひとつであり、一人で近くのガストやジョナサンなどのファミリーレストランに入り仕事の書類作成やメール確認等を行った経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
ファミレスなどの喫茶店や飲食店で取引先の方と仕事の打ち合わせなどを行う場合は「会議費」や「交際費」などの勘定科目を使うことが一般的です。
仕事の打ち合わせを行った場合は、飲食費も「会議費」として計上するのはどの企業も当たり前に行われていることであり、接待の性質を伴う飲食であれば「接待交際費」で損金計上します。
しかし、コーヒーなどを飲みながら一人で事務作業などの仕事を行った場合の勘定科目、及び仕訳はどのように行えばよいのか判断に迷うケースもあるかと思います。
尚、結論から言うと今回のように仕事の為に一人で喫茶店などを利用した場合の経費は「雑費」として経費処理をすることが可能です。
取引先の人と打ち合わせで喫茶店を活用するならまだしも、一人でファミレスに行った場合のドリンクバーの費用はポケットマネーで自己負担するのが当然。
しかし、前述したように仕事の環境、スタイルを含め時代は大きく変わってきております。
本来経費として活用できる費用を自己負担する必要はありません。
尚、これらの費用が経費として「損金計上」できる明確な理由があります。
ここからは具体的な仕訳例と合わせてファミレス・カフェ(喫茶店)での仕事の仕訳を確認していきましょう。
※喫茶店などで一人で仕事を行った場合も経費として損金計上が可能である
【決算書の表示区分】 | |
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損益計算書の勘定科目 PL(プロフィット&ロスステートメント) | 貸借対照表の勘定科目 BS(バランス・シート) |
仕事に関連する業務を行う為に一人で喫茶店などを利用した場合の経費は「雑費」として経費処理します。
この雑費の仕訳は決算書(財務諸表)の中の損益計算書に区分される勘定科目の一つです。
【勘定科目の区分】 | |
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資産 | |
負債 | |
純資産(資本) | |
収益 | |
費用 |
雑費の勘定は「費用の部」に区分される勘定科目です。
雑費は、出費内容に適する勘定科目がない場合の、少額な経費の仕訳を行う際に使用される勘定科目です。
ファミレス・喫茶店飲食費の仕訳例 | |||
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喫茶店にパソコンを持ち込み一人で仕事を行った際、必要経費として飲食費500円を費用計上した。 | |||
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
雑費 | 500円 | 現金 | 500円 |
営業で外回りに出かけ、営業報告用の資料を外出先の近くの喫茶店で作成し会社に報告。
これはインターネット環境が整備され、「クラウド化」が進む現代では当たり前の業務スタイルです。
一度帰社してから改めて営業先に出向くよりも、出先から次の営業先へ向かう方が「効率的」であり交通費などを考慮すると結果的に「経費の削減」にも繋がります。
そして何よりも社内システムを通じて社員の業務進行状況がリアルタイムに確認できる点はグローバル化が進む「情報時代」では大きな利点ともなり得ます。
一人で喫茶店を利用した場合でも経費として計上できる明確な理由とは、より効率的な営業活動を行う上で必要な費用であるためです。
法人はボランティア団体ではなく「営利活動」を行う為に設立された組織である事を理解しなければいけません。
以前の「産業時代」を生きてきた古い体質の会計事務所や高齢者の会計士の場合は、ファミレスで一人で仕事をするという概念が理解できないかもしれません。
実際に2人以上なら「会議費」として仕分けするが、1人なら「個人的支出」として損金不算入であると判断している会計事務所も残念ながら未だに存在しています。
喫茶店などで行う仕事の経費化は、金額も小さいため大きな節税効果は見込めずに、逆に伝票が増加し経理業務の手間が増えてしまう可能性もあります。
しかし、例え小さな費用であっても面倒臭がらずに仕事に関連する経費はしっかりと損金計上する意識を持つ事はとても大切です。